ソシオパス日記

反社会派ブログ

ストリートスマートとエリート

起業もエリートサラリーマンもやってきた私は、こうしたいな、これが欲しいな、と思ったことはすべて綿密に計画した上で積極的に打ち手を打つことで、欲しいものを手に入れてきた。その綿密な計画というのは、計画というほどのものではなくて、自分がこれを手にいれるためにはこのようなストーリーになる必要があって、その中で自分に求められるふるまい(というより演技)はこれだ、という結論を出した上で、その通りにふるまうだけだ。

 

具体例で言えば、たとえば自分で起業したもののキャッシュが足りず出資が欲しいとしたらどうしたら投資家から出資を集められるかを考える。その際には3つのパターンがあって、1つめに友人から紹介してもらった上で会って確約する、2つ目にスタートアップのイベントにいってプレゼンなどを通じて投資家と出会い、後日会って確約する、3つ目にAngel List のようなサイトから投資家に連絡して会って確約する などがあげられる。

どの場合も何度も会ってお互いをよく知った上で投資をするので、2~3回ご飯なりミーティングなりして、犬のように相手が好きでかつ自分は純粋なチャレンジャーであることをアピールした上で、数字に関する部分はしっかりしたものを見せ、最後に投資を決め込む。あまりダラダラすると相手もダラダラして良いのだと思って慎重になりがちなので、他の投資家が投資したいと言っているみたいなことを言ったりちらつかせることで焦らせる。出資するという言葉を一言でも出したら、考えが変わる前にすぐに契約書にサインさせ、振り込ませるまですぐに終わらせる。お金がこちらに振り込まれたのを確認するまでは一瞬足りとも気を許してはいけない。

 

働きたい企業を見つけたら、面接まで行けばこっちのものだ。履歴書に関しては詐称まで言わないがかなり大げさに成果をアピールしたものを作って、まるで最強の人材であるように見せかける。面接に行くまでに、その会社はどういう人材が欲しいのかを企業サイトなどで見た上で "会社にとって理想の人材" の演技をする。理想の人材になるのは別に難しいことではない。言うなれば、バーで見つけた女の見た目や格好を見て、この女はこういう男が好きなのだろう、というのを想像してその通りの男を演じてナンパを成功させるのと同じだ。会社は女と同じで、こういうやつが好きなんだろ、というのをうまく汲み取ってその通りの人間です という顔をしていればいい。入社さえしてしまえばこっちのものだ。

 

何においても、重要なのはストーリーで、自分のことを考えないことである。投資を集めたいのなら投資家側のストーリーに立って考え、入社したいと思う会社側のストーリに立って考える。投資家なら、自分の投資のポートフォリオを増やすためにどこかに出資したいが、出せる金額は~~円くらいで、若い元気のある人がいいな だとか、会社であれば、この職種の人間が足りていないから採用したいが、ある程度経験があって素直だけど頭が切れて手を動かせる人がいい などなど、会社側や投資家側の思惑やストーリーを描く。そして、そのストーリーに求められる通りの人間になりきる。そうすると、彼らの決定は合理的になるから、彼らも後悔しない。

 

多くの人が自分のことを気にするから失敗する。怠けたい、お金が欲しい、働きたくない、そういう欲は資本主義的に正しくないことが多いので、一切足りとも見せては行けない。資本主義の世界で正しいのか正しくないのか、その判断軸で物事を決定していれば、基本的には富が手に入る。

 

世の中では、このように状況に応じて知恵を働かせられることを "ストリートスマート"という。勉強のできるエリートはいわゆるアカデミックスマートというが、勉強ができずとも知恵の働く者はストリートスマートといい、生きていく上ではストリートスマートの人間の方が得てして活躍できる。起業家にもストリートスマートな人間が多い。エリートは勉強ばかりしてきていて、世間知らずだったり知恵のない者がいるため私はあまり好きではない。なんというか、羊飼いに飼わされている頭の良い羊たちだ。私からすれば羊であることに変わりはない。檻の中にいれば安心だが、そこに自由はない。

 

エリートの人間は、一度ドラッグを決め込んだりして徹底的にワルになってみることをおすすめする。計算した上でリスクをとって犯罪を犯し、犯罪を犯すことを楽しんでみると檻から外れるような感覚を味わい、だいぶ世の中への見方が変わる。そうすると自分の頭で考える必要が出てくるので、知恵が働いてくる。個人的には、徹底的に勉強をしていて論理的で優秀な頭を持っている悪人は知恵が働くことが多く、経済ヤクザなどはまさに最強の部類だ。他人の人生を犠牲にして成果を出すことに躊躇しない人間になると、もう成功は約束されたも同然。